【コンサルタントが考える、RFPで良いベンダーを選ぶポイント】
RFPの発行先は適切ですか?
良いベンダーを選ぶためにはどのベンダーにRFPを発行するか、が重要になります。
どんなに良いRFPを書いても、適切なベンダーにRFPを発行できなければ良い提案は受けられません。
RFP発行先は、 慎重に選ぶべきです。
RFPの発行先が不適切な例としては以下の2つが挙げられます。
(1) RFPの発行先が多すぎる
(2) 馴染みのベンダーの中から発行先を選んでいる
なぜ不適切なのか、その理由と解決策を具体的に見ていきましょう。
(1)RFPの発行先が多すぎる
RFPを10社以上に発行している事例があります。
20社という事例も聞いたことがあります。
業務システムのRFPの場合、発行先は多くても6社程度と考えます。
これより多くなると適切な評価ができなくなります。
ベンダーからの提案書は添付資料を入れると100ページを超える場合もあります。 これを6社分熟読して、横並びで評価するのは例えコンサルを活用したとしても至難の業です。
提案書評価に費やせる人員と期間は限られています。 作業ボリュームが多くなると評価の品質が落ちてしまいます。
また、ベンダーが提案書を作成するのには非常に多くの労力がかかります。
どれだけ多くのベンダーにRFPを発行しても選べるのは1社のみです。
落選したベンダーが提案書作成に費やした時間とお金は基本的には無駄になります。 そのコストは回り回って、ユーザー側が負担することになります。
見込みのないことが明らかなベンダーにはRFPは発行すべきではないと考えます。
RFPを発行する前にRFI(Request For Information:情報提供依頼書)を発行します。 そしてベンダーから情報提供してもらいます。その情報をもとにRFPの発行先を絞るべきです。
RFIを発行したにもかかわらず、絞り切れていない。 この場合は、どのようなシステムが必要なのかが明確になっていない可能性があります。
このような状態でRFPを発行しても、良いベンダーを選ぶことはできません。
詳細なRFPを作成する前にどのようなシステムが必要かの骨格を明確にします。 これをRFIとしてまとめましょう。
(2)馴染みのベンダーの中から発行先を選んでいる
より良い提案を受けるためには、既存の取引先にとらわれずに幅広く発行先を検討すべきです。
取引のあるベンダー、過去に提案を受けたベンダーだけにRFPを発行している事例を良く見ます。 これは良い提案を受ける機会を自ら狭めていて、もったいなく感じます。
RFPを発行する際に、幅広くベンダーを調査すべきです。
Web検索など自社で調査しても良いです。 また弊社のようなコンサルタントに調査を依頼することで、
より幅広く、適切なベンダーをコンサルから紹介してもらう方法もあります。
この調査の段階で、前述したRFIを発行してRFP発行先を絞ります。
システムの特性にもよりますが、RFIを10社から15社程度に発行します。 そしてその中からRFP発行先を3社から5社に絞るイメージです。
このようにRFP発行先について幅広く検討し、適切な数に絞り込みます。 そうすることで初めて良いベンダー選定ができます。
RFP発行先を決めた段階で、ベンダー選定の成否が決まっていると言っても過言ではありません。
更新2021年12月28日